「世界文化遺産 姫路城現代美術ビエンナーレ2010」展 開催によせて

兵庫県知事 井戸 敏三

市民と美術家の協働による「第2回世界文化遺産 姫路城現代美術ビエンナーレ2010」展が 盛大に開催されます。心からお喜びします。


世界文化遺産「姫路城」を有し伝統文化の息づく姫路市の地から、 新しい文化の発信をめざして始まった美術展です。2回目となる今回は、活躍する国内の作家の作品だけでなく、 メキシコや韓国など広く海外からも出品されます。個性豊かな作品群はきっと新鮮な感動を呼び起こしてくれることでしょう。

また子どもを対象とした造形教室や美術家と市民との懇談会も企画されています。 これを契機として、芸術文化に親しむ人々の輪が大きく広がっていくことを願っています。


21世紀は交流の時代。人と人、地域と地域、国と国との豊かなネットワークを育む 芸術文化の役割は、ますます大きくなります。これからも兵庫・姫路のもつ多様な個性、 魅力を生かしながら、いきいきとした交流が広がる「芸術文化立県“ひょうご”」、 「元気な兵庫」をつくっていきましょう。

開催にご尽力いただいた皆様に感謝するとともに、展覧会のご成功とご参集の皆様の ご健勝での今後ますますのご活躍を心からお祈りします。


姫路市長 石見 利勝

第2回「世界文化遺産姫路城現代美術ビエンナーレ2010」展が、イーグレひめじにおいて 盛大に開催されますこと、心からお祝いを申し上げます。

2008年に開催されました第1回目では、世界文化遺産・姫路城を有し、歴史文化に秀でる 姫路市において、現代美術の多彩な展示を多くの市民が楽しまれ、姫路の文化の懐の深さを感じたところです。 姫路城に匹敵するアートの力を世界に示すべく、第2回目の本年は、よりグレードの高さを追求されたと伺っております。


本市におきましては、市民の皆様が優れた文化・芸術に触れ、親しむとともに、 幅広い文化・芸術活動を行うことができる環境の充実に務めることにより、個性的な文化の創造と発信に 取り組んでいるところであります。

今後とも姫路市から全国に向けて優れた美術文化を発信し、姫路地域の美術文化の振興と 美術家の育成により一層のお力添えをお願い申し上げます。

最後になりましたが、このたびのビエンナーレ開催にあたりご尽力された姫路城現代美術ビエンナーレ委員会の 皆様のご努力に心から敬意を表しますとともに、皆様のより一層のご活躍をお祈りいたします。


市民代表 米谷 啓和

私たちの身近にアートがある。
第2回世界文化遺産姫路城現代美ビエンナーレの開催を迎える 初回の見定まらない状況から一歩脱却して、美術家と市民、 そして行政が繋がりながらのビエンナーレは、確かな歩みを進め、 大きな仕掛けや奇をてらった演出もなく作品がそこにあるだけで、 大切な「美の体験」に触れることができる。

今回、記念講演では、金沢21世紀美術館初代館長で、 兵庫県立美術館・現館長の蓑(みの)豊(ゆたか)さんの話しが聞けることになった。 著書『超・美術館革命』には枠にとらわれずいまを呼吸している。 現代美術が、市民の意識を変え、企業の行動を変え、そして古都金沢の まちを変えていくストーリーが書かれている。 姫路のまちを変える鍵はミュージアムにあり、そう確信した。 すると、当ビエンナーレ出展の作品群が、わたしたち大人のしなびた感性を解きほぐし、 子どもや若い人たちの柔らかな感性を解放するその第一歩となる。

いま姫路のまちはたしかに変わりつつある。 その転換点でこうしてお手伝いできるしあわせをみなさんと分かち合いたい。 また、この度はメキシコと日本の交流400年を記念してメキシコの4人をはじめ、 海外から参加していただいた。「関西姫路」からの発信もまた進んでいることを 書き添え私たちのビエンナーレとして育てていきたいと思っている。